
これまで妊娠出産によって大きく変わるのは母親の脳と考えられてきました。
しかし、父親になった男性の脳にも赤ちゃんが生まれてから数週間で大きく作り変えられるという事が分かってきました。
ドイツにあるアーヘン工科大学病院の研究チームが平均年齢約33歳の25人の父親を対象に出生後1週間以内、3・6・9・12・24週(約6か月)にわたり、MRIで脳を計6回追跡調査した研究によると
・最初の6週間で灰白質の変化(減少)が特に大きい
・前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉など広範囲で灰白質容積の減少(再編成)が起こる
・12週以降は一部領域で増加に転じる
・単純な「脳が縮む」のではなく、“育児への適応のための神経再編成(rewiring)”と解釈できる。
という結果がでました。
この脳の変化や減少(縮む)というのは脳の外見が変わるという意味ではなく、脳内部の体積・厚み・ネットワーク構造が再編成されるということです。
脳が縮むと聞くと少し怖い感じもしますが、これは赤ちゃんのお世話をするのに父親の脳も赤ちゃんの鳴き声、表情、動き、危険、要求に反応しやすい回路へ組み換えられていく現象だと考えられています。
不思議なのは父親は妊娠しませんし、体の中で赤ちゃんを育てるわけでもありません。
また、赤ちゃんは言葉も使わず命令もしませんし、ただ眠っていたり、こちらを見るだけです。
それなのに、赤ちゃんが生まれると父親の脳はまるで赤ちゃんに対応する準備を始めるかのように脳を変えてしまうということです。
父親は、自分の子でも連れ子でもその家庭内に赤ちゃんや子供がいると「仕事頑張らなきゃ!」「奥さんと子供を絶対食わせなくちゃ!」など行動が変わる人が多いと言われているのもこの脳の再編成が影響しているのかもしれません。
出産後、赤ちゃんが父親の脳を変えていくという不思議な話しでした。